2009年7月2日木曜日

物理学とはなんだろうか

朝永振一郎 (1979) 物理学とは何だろうか (上)(下). 236pp. 岩波書店, 東京.

を読みました。


内容のほとんどがちんぷんかんぷんでした(^^;)。
いままでの物理学者たちがどれだけ苦労して新たな法則を見つけてきたのか、
についても書かれており、
そういうところは物理学がわからない私でも楽しかったです。


個人的に一番興味を引かれたのが次の一文。

普遍的法則を求めるために自然を非常にかえるような実験をして、そして異常な世界を目の前に展開するというような科学のほかに、われわれの日常の自然そのもののなかに、つまり異常でない日常の世界のなかで、実験などしないで法則を見つけ出すという性格の科学が、物理学のなかにおいてさえあるわけです。

これは正直意外でした。
物理学のように、いわゆるハードな科学には、実験などしないで法則を見つけ出すことなんて無い、
と勝手に思っていました。
たしかに、
生態学のように、いわゆるソフトな科学においても、実験などしないで法則を見つけ出す以外にも、
実験をして普遍的法則を明らかにしていくこともありますしね。

きっとどの分野においても、両方の性格の科学が存在するのでしょうね。
ただ単に現時点において、
物理学では実験をすることが多いし、
生態学では実験をしないことが多い、
というだけのことなんでしょう。




そして、

普遍的法則を追求する科学というのが一時は、少なくともある時期は、もう一つの面の科学に席を譲るということは起りうるんじゃないかという感じを私はもっております。

これもおもしろいですね。
単純な系で実験して明らかにしたことが、
日常という複雑な系でどのように振る舞うのか、
とても大事なことですし、とてもおもしろいことだと思います。


単純な系で得られた結果を複雑な系に返す、
複雑な系で得られた結果を単純な系に返す。
生態学ですが、
私の先生がよくそう言っていたのを思い出しました。

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